『18歳前後の彼らにとって最も必要なことは、勝ち負けよりも様々な経験をすることだ。』

20150803 Dodgers

このブログでも何度か紹介しているように、ドミニカ共和国にはメジャーリーグの30球団全てがアカデミーを開設しています。
16歳以上の将来性豊かな選手がプロ契約をし、練習・試合・英語の勉強などを行っています。

ちょうど6月から8月はドミニカン・サマーリーグと呼ばれるアカデミー同士のリーグ戦が組まれ、5つのリーグにわかれて各球団が72試合行います。マイナーリーグの中で、ルーキーリーグのさらに下に位置する、立派なプロのリーグ戦です。

各球団に約50名が所属していますが、ドミニカの中でもプロ契約してここでプレーできるのは将来性豊かな選手だけ、さらにはベネズエラ・コロンビア・パナマ・ニカラグア・メキシコ・キュラソーなどなど、ラテンアメリカ各国からも同年代の選手が送り込まれてきます。

確かに将来性豊かな選手たち、この年代のラテンアメリカ最高峰の選手たちですので、木製バットながらどんどんホームランが飛び出したり、日本のプロ顔負けのスーパープレーが続出したり。それはそれは見ていて本当に楽しくて、あっという間に時間が過ぎ去って行きます。

一方で、同じバッターでも変化球にはまだまだ全然当たらなかったり、球は速いけどストライクが全然入らない投手がいたり、そんな選手もたくさんいます。

先日、トロント・ブルージェイズの試合を見ていたら、キャッチャーの選手がたくさん後逸していました。9イニング中にワイルドピッチも含めて10球以上は後ろに逸らしていたと思います。それでも、監督・コーチは彼に対して何か注意するでもなく、交代させるでもなく、もちろん怒声を浴びせるでもなく、ただただ試合中はお尻をポンと叩き、後は見守っているだけです。試合は彼のミスも要因となり負けてしまいました。

試合後、監督に「今日はキャッチャーの選手がたくさんミスしていたけど、それに関して何か特別な指導を行うのですか?」と質問しました。
返ってきた言葉は・・・、
「確かに彼はたくさんミスをした。我々ももちろんそれを見ていたよ。でもね、彼らはまだ18歳前後なんだよ。何のためにこの年代の試合があるのか?それは失敗も含めて様々な経験をするためにこのリーグがあるんだ。何も特別なことをする必要はない、これから既に組まれているキャッチング、ワンバウンドのメニューをこなしていけば、何年後かにいずれ彼もいいキャッチャーになるよ。」と、下の写真の監督を務めるマテオさん。

201507 Mateo san


日本の同年代では高校野球・甲子園が全てのように、今の結果を重要視してしまっていると思います。マスコミも社会も指導者も保護者もそういう傾向が強いのではないかなと。ましてやトーナメントなので全く余裕がありません。

一方で、とてつもなくたくさんのメジャーリーガーを輩出しているドミニカ共和国の18歳の野球は、ものずごく静かで涼しくて、たくさんのミスを豪快にしながら、ただただ淡々と将来に向けて能力を伸ばし続けているのです。

トーナメントでその時に盛り上がればいいのか、リーグ戦で様々な失敗も経験しながら大きく成長していく方がいいのか。こんなに小さな国から多くのメジャーリーガーを輩出しているという結果から見ても、子供達の将来を思えば思うほど後者にすべきだと私は思います。

20150803 Gigantes
チャンスにもかかわらず、この豪快な空振り!(写真で伝わるかな~)

目先の結果野球から、将来の活躍に向けた野球へ。改善できることがたくさんあってワクワクします!  

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