『日本の医師がドミニカ共和国に上陸!驚くべき検査結果の違い??』

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 2018年1月2日、高校野球指導者と奥様(普段はプロ野球の場内アナウンスもされているとのこと!)、そして普段日本の野球少年からプロ選手までの治療にあたられている整形外科の先生方ら4名(合計7名)がドミニカ共和国に到着されました。

 日本の野球に関連する医療関係者のドミニカ共和国初上陸(?私が知っている範囲内です)とあって、普段の視察とはまた違った視点での滞在となり、コーディネートした私にとっても大きな学びとなりました。

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 いつもお世話になっている現地のチームへお伺いし、小学生からメジャーを目指しているマイナーリーグの選手まで150名以上の肘の検診も行いました。ドミニカ共和国出身選手もトミージョン手術を必要とするケースも増えており、どのような結果が出るかと思っていましたが、これだけ調べても今すぐ処置が必要な選手は一人も出てきませんでした(痛みのある選手もいましたが数週間休めば治る程度とのこと)。

 日本で野球少年の肘を調べた際に数パーセントは出てくるという骨の異常が1人も出てこなかったとのこと。これは主に、投球数の過多、登板間隔の短さ、(加えて投球強度や投球フォーム)そしてタバコの副流煙が原因と言われているようですが、この症状が出なかったとのこと。これはある意味、ドミニカ共和国の野球指導の考え方が日本よりも理にかなっていることの証明にもなるのではないかなと思いました。

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 どの年代のどのような指導者に聞いても、投手の投球数の管理は必要とこの国では答えます。小学生であれば40~60球まで、それだけ投げたら中4日は空ける、高校生でも75~80球くらいまで、こちらももちろん中4日か5日は空けます。当然のごとく、試合は何週間か何か月もかけてリーグ戦で行われ、トーナメントで行われることはありません。このような指導者の意識、大会開催者の意識、システムの違いによって、選手たちの肘の障害に日本と大きな差が出ているのであれば、思慮深き我々日本人は必ずここから学ばなくてはいけないと思います。

 そして、もう一つの大きな要因と言われるタバコの副流煙。これも日本ではまだまだ野球指導現場、保護者も含めて子供たちの周りには副流煙が蔓延していますが、ドミニカ共和国でタバコを吸っている人は意外と少なく全人口の2~3%ほどと言われています。街中でタバコを吸っている人はほぼ見かけることはありませんし、未来ある選手の前に立つ指導者がタバコを吸うということは社会から相当厳しい目で見られるため、国中探してもほとんどいないのではないかということでした。そういった意味では日本の喫煙に関する環境も子供たちの未来を思えばもっともっと良くなっていかなければならないのだと思います。

 私自身が興味を持っていたのはドミニカ共和国の指導者や選手がこのような医師の検診を受けてどのような態度を見せるかということでした。日本では、指導者が怖くて痛い、投げられないと言えない、指導者が医師の検査を受けることを勧めないという声もあるときいていましたが、こちらは良い意味で選手も指導者も真剣でした。

 検査を拒否する指導者・選手はもちろんいませんし、中には私も見てほしいとプレーとは関係ないお母さんまで登場。痛みがある場合に、数週間休んだ方が良いと告げると、指導者は選手に対して痛みがなくなるまでしっかり休むように!と念を押し、医師たちに『それでも子供たちがバッティングをしたいと言ったらさせてあげてあげても大丈夫か?』と、野球をしたい選手たちへの配慮も忘れず、メジャーを目指す契約金(なんと)1億6000万円で契約している選手は真剣なまなざしで自身の体のケアとプレー向上に対するアドバイスを聞いていました。

 集約されるのは、育成という考え方の違いだと思います。
 ドミニカ共和国では、25歳からメジャーリーガーになることを選手は考え、指導者も彼らがそうなれるように考えます。若い選手であれば全く無理することなく、(まずは無理させる必要もなく)、もし痛めても早く復帰するより、しっかり治すことに専念すればいいのです。

 訪問中、偶然に話すことができたフェルナンド・ロッドニー投手(メジャー通算300セーブ!)とも色々と意見交換をすることができました!彼も一度、怪我をして、復帰後40歳を超えてもメジャーで活躍しています。

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 一方で、日本は常にその年代での勝利が優先されます。小学生は小学生の間の勝利、高校生も高校での結果が重視され、それよりも未来の活躍というものにあまりフォーカスはされていません。それは指導者だけでなく、トーナメントを中心にする大会運営方式にも大きな問題があると思います。

 医療の側面からみて、改めて日本の野球の課題、これからのあるべき姿を確かめることができ、私自身にとっても収穫多き日々となりました。もちろん指導者の方含め、こういった形でドミニカ共和国を訪問して下さる方に改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

 この学びを、日本でまた多くの方に伝えることができればと思っています!
 【ドミニカ共和国での学び続編に続きます!】

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