
9月第一週より、第3回フューチャーズリーグが大阪の堺市を中心に開催されています。
大阪・京都・三重・和歌山・岡山などから、中学3学年で合計20チームがエントリーし、3か月にかけてリーグ戦を戦っていきます。
メインの2年生は主催チームでもある堺ビッグボーイズ(ビッグボーイズは選手数が多いため、Astros、Braves、Cardinalsの)3チームを含め合計10チームが参加し、各チーム最低でも9試合を行うことができます。

日本では、小・中・高と各カテゴリーでトーナメント戦が基本になっていますが、実は海外ではアマチュアも全てリーグ戦が基本です。
どちらが正解というものはないのかもしれませんが、野球というスポーツの特性を考えると日本で行われているトーナメント戦ではなく、リーグ戦でも行う方が良いのではないかと思えてきます。
野球の特性①:どちらが勝つか負けるかはその日の運に左右されやすい。
→プロ野球でも143試合戦って80勝60敗ペース、つまり4勝3敗ペースで十分優勝が狙える。このようなスポーツはトーナメントには向いていない。強いチームが高い確率で勝つ競技であればトーナメントでも問題ない。
野球の特性②:失敗の多いスポーツ
→打者は10回中3回ヒットにできれば億を稼げる選手。年俸20億を超えるロビンソン・カノー選手ですら打率3割前後。10回中7回以上失敗するスポーツで、必ず勝たなければ次がないトーナメントでは本当の実力は図れない。
特に、まだまだ経験も少なく、身体も出来上がっていない若い選手たちが、トーナメントの大会に参加する弊害はとても大きいと思います。
どちらが勝つかわからない、失敗の多いスポーツにも関わらず失敗を恐れてチャレンジできなくなる。負ければ次がないため偏った選手起用になる(投手の投球過多も一緒)。
例えば、私自身が勉強をさせてもらっているドミニカ共和国ももちろんリーグ戦です。このような取り組み・環境の違いから、将来大きな舞台で活躍する選手の数が違ってきていることも事実ではないかなと思います。

私自身もこのフューチャーズリーグで、2年生の堺ビッグBravesを担当、9月3日・10日・11日の3試合にベンチで指揮をとる機会をいただきました。
ベンチ入りしている14人(プラス1名は怪我で休養中)には必ず各試合で打席と守備機会または投手としての登板機会を用意しながら采配しています。
勝ったり負けたりはありますが、次も必ず試合があるので、こちらも子供たちも思い切って試合に臨むことができています。
豪快な三振をしても下を向くことなく、打たれて失点しても次は良い投球をするぞと前を向く。この、『失敗してもまた前を向いてチャレンジを続けていく』ことこそ、野球を通じて彼らが今後の人生のために学べることではないかなとつくづく感じます。
1試合目でできていなかったことが、コーチに言われなくても自分たちで気づいてできるようになっていく、その変化・成長を我々は見守る、これを何か月も、できれば何年も継続できれば、野球選手としても一人の人間としてもきっと立派になってくれると確信しています。
我々ができることは、子供たちが最大限成長できる環境を作ること。
日本のこれまでの常識に捉われず、変化を恐れず、もちろんこれまでの良いところは大切に伸ばしつつ、子供たちと共に成長できればと思っています。
百聞は一見に如かず、機会があればフューチャーズリーグもぜひ見学にお越しください!
『「トーナメント戦」は中世の騎士が戦争の代わりに行った「馬上槍試合」がルーツで名誉、金品、領土、命を賭けた戦いで野蛮極まりない方式
「リーグ戦」は全ての戦いが続けられるように、殺したり、傷つけたりしない様に相手へのリスペクトや思いやりをもち、スポーツにルールを設けた上で運営される方式』・・・・・・この意味を今一度指導者や運営に理解していただきたいものですね・・