皆さま、おはようございます。
8月16日~23日の1週間、日本から30名の選手と指導者ら、合計36名でロサンゼルス遠征を実施しました。堺ビッグボーイズが中心となって実施しているこの遠征は今年で6年目を迎えています。



現地では、大迫力のメジャーリーグ観戦に加え、メジャーリーグのスタジアムツアーや市内観光、ホームステイなども実施していますが、何よりも学びの機会となるのが土日に行われる現地の大会に参加していることかなと思います。今年はメキシコからも招待チームが参加し、合計14チームの非常にレベルの高い大会になりました。

こちらの大会に参加して、一番違いを感じることは反発係数に大幅な規制がかけられている金属バットと天然芝のグラウンド。日本で普段使っているバットに比べると驚くほど飛びません。内野の頭を超えることも簡単ではなく、とらえたと思う(外野の頭を簡単に超える)あたりもポップフライになって、定位置付近の外野フライ。ならば、ゴロで間を抜こうと思っても天然芝で打球が弱まり、内野手に捕られる。一体、どうやったらヒットが出るのかと・・・。

一方で、アメリカやメキシコの同年代の打者(14~16歳)はこの状況でもなんとかヒットにしてきます。パワーが違うからでしょ・・・、と思いがちですが、パワーの違いではなく打ち方の違いの方がはるかに大きいと試合をしていると感じます。日本の子供たちは普段から飛ぶ金属バットになれているため、前(投手寄り)で当てるイメージ、こちらの選手は多少詰まっても後ろ(キャッチャー寄り)でドンとぶつける感じ。堺ビッグボーイズでは、将来、大学以降で木製バットを使用するときにも良い打撃ができるようにと、このような打撃練習を取り入れていますが、それでもまだまだ追いつけていないと実感します。

よく考えれば、アメリカでは飛ばない金属から木製に変わるだけで、少年野球からメジャーまで環境は一緒であり、一貫して技術を身につけることができます。一方で、日本は高校野球までの飛びすぎる金属バットから、大学になって突然飛ばないバットに変わるため、そこで苦労する選手も多いのが現実です。道具が全く違うので、打ち方も異なり技術も一貫して習得できません。さらに、そこからメジャーを目指そうとなれば、グラウンドも天然芝に変わり、より一層対応が困難に・・・。
どちらが世界のスタンダードかと言えば、野球の世界では、日本以外はどこの国に行っても低反発の金属か木製バットと天然芝。アメリカだけでなく、中南米の国々もそうですし、アジアも韓国や台湾は高校生から木製バットを使用しています。日本国内の大会は良いけれど、世界の大会に行って苦労するのはいつも選手たちです。
社会も一緒で、これからはどんどん外国人が入ってきて、日本も世界に出て行く時代へと変化してくると思います。ならば野球も世界のスタンダードを受け入れて、その上で力を発揮できる選手が育つ環境作りが必要だと思います。
子供たちに話を聞くと、『学校で習った英語が全然通じなくて苦労した』、『野球も日本のようにいかなかった』と。でも、世界に出てそういったことも含めて知ることが、今後の彼らの成長につながることは間違いないと思います。
堺ビッグボーイズでは、今後もこのような機会を継続して作ることができればと思っています!

日本とは全く異なった指導法・育成システムで人口1千万人の小国ながら毎年多くのメジャーリーガーを輩出するドミニカ共和国。この夏は高校野球を終えたばかりの高校3年生が2週間訪問してくれました。
彼は中学時代に捕手として活躍していたものの、厳しい指導にあい、肩も故障、その影響で高校2年生からは投げることができなくなりました。なぜ、自分は怪我をしてしまったのか、同じような苦しみに他の選手やこれからの子供たちには遭ってほしくない、そう考えていた時にたまたま新聞でドミニカ共和国の野球を紹介している私の記事を見つけて連絡してくれたのが出会いの始まりです。

『実際にドミニカ共和国に行ってみたい!』、でも、まだ高校生で、両親にも負担はかけたくない、との思いから、文科省のトビタテ留学JAPANという制度に応募して、見事合格!7月30日から2週間ドミニカ共和国に滞在してくれました。
こちらでは毎日PMからのスペイン語授業、ホームステイに加え、午前中は少年野球からメジャーリーグ球団のアカデミーまでを毎日見学。大人の顔色を気にせずとにかくアグレッシブにプレーする小学生たち。将来MLB球団との契約を勝ち取れるようにと、選手の長所を伸ばすべく、常に前向きに声をかけ、成長を促す中学生年代のコーチたち。そして、彼と同年代のMLB30球団とのマイナー契約を勝ち取って各球団同士の72試合のリーグ戦にのぞむ17~18歳の選手たちのプレー。

彼に率直な感想を聞くと、『とにかく、ショックです。』と。
何が?
『なんで自分は楽しくて始めた野球であんなに怒られ、苦しめられて、怪我でつらい思いをしてきたのだろうと思います。ドミニカでは子供たちはとにかく野球を楽しみ、同年代のメジャーのアカデミーの選手たちは、トーナメントではなく72試合もあるリーグ戦の中で失敗を恐れず思い切ってプレーし、指導者もミスをいつも許容している。そして、同年代の選手たちが本気でメジャーを目指して、すごいレベルで毎日プレーしている。なんで、自分の国ではあんなにも指導者が選手にプレッシャーをかけ、なぜ一度負けたら終わりのトーナメントで失敗が許されないやり方なんだろう・・・と。』

17歳の彼には、大きな違いを見せつけられたことは我々の想像以上にショックなことなのかもしれません。
『でも、ショックですけど、知ることができて本当に良かったなと思います。そして、2週間では全然足りなかったので、またドミニカに帰ってきます!』と日本に向かった彼。
2週間、彼のそばにいて私自身が感じたこと。自身の国の子供たちに、日本より海外の環境の方が良いじゃないか!ショックだ!と思わせるような日本の野球界ではいけない。
毎年夏の恒例の『あの大会』が今も行われていますが、大人が目を覚まし、海外からも情報を取り入れ、子供たちにとって本当に良い環境を作っていかなければ!

Vamos! Siempre Agresivo!
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皆さま、こんにちは。
7月31日から順次、ドミニカ共和国へ第2陣の方々にお越しいただきました。

今回は高校の先生方に加え、現役の高校生、大学生、そして普段指導している堺ビッグボーイズの小学部5年生、矢倉司嵩(つかさ)君がお父さんと一緒にドミニカ共和国へ訪問してくれました。


感じ方はそれぞれで、とにかく明るくポジティブなプレーを指導者が促し、アグレッシブなプレーを連発する選手たちの姿を見て野球の原点、楽しむ!ことの大切さを再認識したり、これまで自身がやってきた野球との違いに大きなショックを受けたり、しかしここまで来ていただいて感じていただいたことすべてが、これからの日本の野球界に役立つのではないかと思っています。


個人的には、一番大きな違いはやはりシステム、目指しているところの違いかなと思います。負ければ終わりのトーナメントが主流で今勝つことを求めざるを得ない日本の野球と、17-18歳の子供たちに全球団が72試合のリーグ戦を用意するメジャーリーグのアカデミー、そこから出る結果の違いは大きなものになっているのが現状です。
詳しくは私の著書で…

司嵩君は、同年代の子供たちと野球をプレーした後、そのまま2泊のホームステイに!


それぞれが何かを吸収して日本に持ち帰っていただけると思います!
引き続き学びと実践を継続できればと、
Vamos!!
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