『堺ビッグボーイズのアメリカ遠征! そして、帰国!』

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 7月10日に関空を発ち、新婚旅行にて東欧(旧ユーゴスラビアなど)へ、その後、ドミニカ共和国にて3週間ほど滞在(10名の方が日本からお越しくださいました!)、最後の1週間はロサンゼルスにて堺ビッグボーイズのアメリカ遠征に帯同して帰国しました。

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 今回のアメリカ遠征には、友好チームの旭川道北ボーイズの選手も含め17名が参加し、メジャーリーグ観戦、ドジャースタジアムツアーに加え、現地の大会にも参加して合計7試合を行い、さらに今年は初めての試みとしてホームステイも実施しました。

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 スケールの大きなスタジアムで世界最高峰のメジャーリーガーたちのプレーを観て、また実際に同年代の選手たちとも対戦し、子供たちはもちろん我々も大いに学ぶことがありました。アマチュア・プロ問わず、投手はどんどんストライクゾーンにストレートを投げ込んでくる姿勢、打者は積極的に初球から力強くバットを振りに行く姿勢、言葉ではなく、実際に見て対戦もすることで、子供たちは直に様々なことを感じることができたのではないでしょうか?できれば、多くの指導者の方にも実際に現地で触れていただくことができれば、さらなる日本全体の指導力向上につながるのではないかと思います。来年以降もさらに多くの選手、そして指導者の方にもお越しいただけるような遠征にすることができればと思っています。

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 ドミニカ共和国、アメリカ、ヨーロッパの国々で、多くの方々に親切にしていただきました。ちょっとした気遣い、心遣いで、自分たちが必要としているものを察してくれ、心地よく過ごすことができました。もちろん、現地のことを良く知っているからこそ、我々より先に気づいてできることもあると思います。一方で、逆の立場で、日本に彼らを受け入れた時に、果たして自分たちは彼らと同じくらいの気遣い、心遣いができるだろうかと、自問自答する場面もありました。人生において大切な、心の余裕、時間の余裕も必要なのでは?と、彼らの言動から感じました。

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 暑い夏をほとんど回避してきましたが(汗)、8月も後1週間で終わります。海外でまた多くのアイデアをいただいたので、それをこれから形にしていくことができればと思っています。日本の皆様との再会を楽しみにしています!!

 

『Amigo(アミーゴ)! Hermano(エルマーノ)! Familia(ファミリア)!』

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 今回1か月弱、滞在したドミニカ共和国、日本からも10名を超える方にお越しいただき、様々な年代・カテゴリーの野球をみていただくことができました。

 遠い日本から、ドミニカ共和国まで足を運んで下さる方々の理由は様々ですが、『メジャーリーガーを毎年多数輩出する野球大国で、何かを学びたい』と思って来られる方が多いのではないかなと思います。

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 もちろん、『ドミニカ共和国の野球を学びたい』という目的はどの季節に来てもかなえられます。夏のサマーリーグではメジャー30球団のアカデミーに所属する選手の育成を目の当たりにすることができ、冬には現役メジャーリーガーやマイナーリーガーが母国に帰ってプレーするウィンターリーグ(ドミニカ共和国のプロリーグ)、年中あかるい声を張り上げて野球を楽しむ子供たち、メジャー球団との契約を目指して汗を流す若い選手たち(13~17歳くらいまで)の練習・試合風景からもたくさんのことを学ぶことができるのではないかなと思います。

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 ただ、もう一つ日本人が気づかされることは、ドミニカ共和国の人と人とのつながりの強さなのではないかと思います。
野球の現場へ行っても、レストランへ食事に行っても、道を歩いていても、あちらこちらから声をかけてくれるドミニカ共和国の方々がたくさん。『Tomo!調子はどう?今日も僕たちのところへ来てくれてありがとう。日本のみなさんがここまで来てくれて嬉しいよ!』と話してくれるメジャー球団やアマチュアチームのコーチたち、みんなが心地よく過ごしてほしいと意外な(?)ドミニカ共和国の方々のホスピタリティに一様に驚かれているようです。

 先日、アントニオ・バウティスタさん(ドジャースアカデミーで25年以上にわたり指導されているコーチ)の自宅へ連絡もなしに日本人4人で突然訪問した際も、笑顔で迎えてくれ、ベランダで1時間半ほどドミニカ共和国の野球指導法について色々とお話しして下さりました。
 そして、失礼しようと家から出たところで、珍しく怒り顔のアントニオの奥さんがいました。『今日、私はあなたに怒っているのよ!あなたは、突然訪れたことを迷惑じゃなかったかって私に聞いた。なぜ、あなたは自分の家に帰ってくること、自分の家に仲間を連れてくることを迷惑じゃないかと考えるの!?あなたは私たちの息子で、ここはあなたの家よ!迷惑かなんて考えずに、いつでも帰ってきて、だれでも連れてきなさい!』
 その、奥さんの言葉を聞いて、私だけでなく、一緒にいた方々の心もどれだけ暖かくなったことか・・・。

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 もちろん、日本にもたくさんの友人、知人、家族がいて、多くの方にお世話になっています。それと同時に、ドミニカ共和国へ来るたびに、ここにもアミーゴがたくさんいて、エルマーノがたくさんいて、ファミリアがいることにいつも勇気づけられます。

 野球はもちろん、人としても学び多き、ドミニカ共和国。また、来る機会も多くなりそうです!?
 

『ドミニカンサマーリーグ!このままでは差がつく一方です!!』

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 今からちょうど5年前、初めてドミニカ共和国を訪れ、目の当たりにしたのがドミニカンサマーリーグでした。(上の2枚はその時の写真です)
 メジャー30球団すべてがドミニカ共和国内にアカデミーを持ち、16歳以上の将来性ある選手たちと契約し、17-18歳前後の選手たちが6~8月の3か月間、各チーム72試合のリーグ戦を行います。月曜から土曜まで毎日6試合を12週間で72試合。当然、先発投手はローテーションを組み(中5日、Max80球)、打者はメジャーで活躍するために木製バットで試合に臨みます。各球団50~80名×30球団ですので、約2,000人もの選手が毎年このカテゴリーに所属していることになります。

 5年前、初めてその試合を観た時に頭の中が『?』でいっぱいになったことを、サマーリーグの試合を観るたびに今でも思い出します。

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 投手はとにかくストライクゾーンへ力強い投球を行い、打者はそれに対してフルスイングを繰り返しています。日本であれば、もっと様子を見ていけ、変化球も使ってボール球を振らせろ!と言うところ、追い込むまではほとんどストレート。打者も見逃して様子を見る素振りもなく、ストライクゾーンにきたストレート系の球に思い切ったスイングを繰り返しています。
 高校生の年代とは思えない迫力あるバッティング(木製バットでもホームランが出ます)、華麗な守備、豪快な投球がある一方、変化球に全くバットが当たらない打者がいたり、守備でも豪快なエラーをしてしまったり、球は速いけどコントロールがなかなか定まらない投手がいたり・・・。

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 そして、その選手のプレー以上に驚いたのがベンチにいる指導者の姿勢でした。どんなミスや豪快な三振を目の当たりにしても、大きな声を出すことなく、常に選手の背中をたたき続ける冷静な指導者たち。あまりにこれまで見た野球とはかけ離れているため、試合終盤まで『?』だらけでした。もしかして・・・。日本の17-18歳の野球は常に勝たなければならない目の前の勝利のための野球、一方でドミニカ共和国の17-18歳の野球は25歳になった時にメジャーリーグでプレーするための将来のための野球なのか?と思い知らされたことを昨日のように思い出します。トーナメントで勝たなければ明日がない試合をするのと、リーグ戦で様々な経験を積むことができるリーグ戦では野球が全く違ってきます。

 結果として、優秀な投手が投球過多や変化球の多投などで伸び悩み、打者はアウトサイドインの金属打ち、守備は正面に入って体で止めるがゆえに間一髪のプレーでアウトにできずに、世界最高峰の舞台で活躍する選手をなかなか輩出できない国(2016年はメジャーでプレーした選手9名)と、特に中継ぎや抑え投手、華麗な守備で魅了する二遊間、豪快な打撃で中軸を打つ打者など、多数の選手を輩出する国(2016年は134名、人口はたったの1000万人)として明確な結果の違いが出てきていると思います。

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 この夏も日本からお越しいただいた指導者・選手の方々と、ドミニカンサマーリーグの様々な試合を観ています。出てくる投手はみな球速140KM を超え、打者も木製バットでそれを打ち返していきます。1点差のゲームも多数。先日観戦したトロント・ブルージェイズ対シンシナティ・レッズはタイブレークも行われていました。こんな試合を72試合も繰り返していれば選手たちのレベルは確実に上がっていきます。しかも、無理をさせないので、投げすぎて怪我をする投手も出てきません。指にマメができれば交代です。

 選手のレベルもそうですが、MLBの各球団がドミニカ共和国を含むラテンアメリカで取り組んでいることのレベルやスケールも、残念ながら日本で取り組んでいることとの違いは歴然。このままでは差はどんどん開くばかりなのではないかと危機感を抱きつつ、今できることを見失わずに活動できればと思っています。

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 さて、今日の朝に日本から到着される指導者の方とはどの試合を観に行こうかと・・・。いずれにせよ、現実の違いを目の当たりにしてきます。。。
 

『松下半蔵(12歳)、蔵之介(9歳)ドミニカ共和国初上陸』

 今年も7月後半からドミニカ共和国に滞在しています。この時期はサマーリーグと呼ばれる、メジャーリーグ30球団のアカデミー同士の試合(17~18歳前後)も観戦でき、そこを目指す13~16歳の選手たち、もっと小さな小学生の子供たちの野球など、様々な年代のドミニカ野球に触れることができ、日本から野球の指導者の方にも順次お越しいただいています。

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 そして、今回我々の中で初めての試みとなったのが、日本の子供たちのドミニカ共和国遠征。普段、堺ビッグボーイズでプレーしている中学1年生と小学3年生の松下兄弟が両親と一緒に1週間の予定で訪問されました。

 伊丹→成田→ニューヨーク→サントドミンゴと、自宅から現地到着までに丸一日かかり、グッタリで到着かなと思ったら、満面の笑顔で元気いっぱいサントドミンゴのラスアメリカス空港に到着しました。

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 翌日の朝から早速一緒にプレー!
 見たこともない、そして言葉も通じないドミニカ共和国の選手たちに最初は戸惑っていましたが、試合が始まればすっかり打ち解けていました。子供たちの順応力はすごいですね。

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 ちょうどお隣の島・プエルトリコからも遠征に来ているチームがあり2人ともドミニカ共和国チームのユニフォームを来て出場させてもらいました。観客のみなさんも、分け隔てなく応援してくれます。なぜか、名前は『ロペス・タナカ!』(笑)。人気者になった二人は試合後写真撮影の依頼の嵐でした。

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 今回の子供たちの滞在で改めて気づいたことは、ドミニカ共和国の方々の彼らを包み込むように受け入れる姿。どこに行っても、まず現地の子供たちが大人に指示されるわけでもなく、言葉も通じない日本の子供たちを仲間に入れてくれます。一緒にキャッチボールしよう!僕たちの遊びに入ろう!ゴロを投げるからこっちに投げて!と。それは、きっと我々を分け隔てなく受け入れてくれるドミニカ共和国の大人たちを子供たちも見ているからだと思います。

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 こちらが、お邪魔して時間を割いてもらっているのに、彼らから出てくる言葉は、『僕たちの国に来てくれたこと、みなさんと出会えたことが嬉しくて仕方ない。』と迎えてくれ、『みなさんが私のところに来てくれたことは、自分自身の誇りだよ。』と心から歓迎してくれます。メジャーを目指す大きなお兄さんたちも、自分たちの練習時間を割いて、日本からやってきた小さな2人に付き合ってくれました。

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 そして、もう一つ驚いたことはたった数日間で2人の野球がものすごく成長していること。ドミニカ共和国の子供たち、選手たちの、柔らかいグラブさばき、力強い送球、迷いのないフルスイングを見て感じることで、自然と日本の子供たちの体の動きもそうなっていく姿をみることができました。いくら口で指導されてもなかなかそうはならないけど、周りの環境によって自然とそうなっていく、指導のあり方を改めて考えさせられます。
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 最終日、空港に向かう車内はいつになくどんより。誰も口数が少なかったです。
 『帰りたくない。』『またドミニカ共和国に戻ってきて野球がしたい。』
 ぼそっと口にしたその言葉が充実した滞在を物語っていたのかもしれません。

 もちろん日本で学べること、日本の優れている部分もたくさんあると思います。一方で、海外に出て今までにない感覚、しかも、メジャーリーガーを毎年多数輩出しているドミニカ共和国で感じたことはかけがえのない財産になると思います。
 できることなら、多くの日本の子供たちにもこのような機会があればと願ってやみません。

 松下家のみなさん、お越しいただきありがとうございました。お気をつけて日本まで!
 Nos vemos en Japon!!

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