
ドミニカ共和国に到着して3日目。
今日はマイナーリーグの最下層に位置する、ドミニカン・サマーリーグの試合観戦に行ってきました。
メジャーリーグ全30球団が所有しているアカデミーで、ここでは主に17~18歳ほどの選手がプレーしています。今日はメッツVSフィリーズの試合、ジャイアンツ(サンフランシスコですよ!)VSレッズの試合を梯子してきました。

まだまだ粗削りな選手も多く、凡ミスも多数、豪快な三振、エラー、投手のコントロールミスも多数です。ただし、とにかくミスを恐れずストライクゾーンで勝負する投手と、それにフルスイングで立ち向かう打者たち、いつ見てもここに来ると自身がやるべきことを思い出させてくれます。

ちょうど母国では、夏の高校野球が行われていて、各都道府県の代表決定が進んでいるようですね。
ネットでもFBの投稿でも非常にこの話題を多く見かけます。
これを全て否定したいわけではありません。日本の野球の良いところももちろんあると思います。
ただ、ちょっと冷静に、客観的にドミニカの野球と比べることができればと常々思っています。
ドミニカン・サマーリーグでは全球団が72試合を行うリーグ戦方式で、先発投手は最大75球・中5日ほどで回すチームがほとんどです(メジャーでも100球・中4日が基本ですから18歳くらいならこれくらいが当然という考えです)。負担の大きい捕手も2人でプレーする日、しない日を明確に分けてのぞんでいるチームが多数です。勝っても負けても次があるリーグ戦で野手たちも思い切ってプレーし、指導者も試合の中でのミスも含めてたくさんの経験を選手に積ませることに重きを置いて指導に当たっています。そういった取り組み・システム・指導方法の積み重ねが、毎年多くのメジャーリーガー・スーパースター輩出に繋がっていることも大きな要因の1つであることは間違いないと思います。
翻って、なぜ日本では1回負けたら終わりのトーナメントで、まだまだ若く経験の浅い選手が失敗の許されない環境でプレーしなければならないのでしょうか?勝ち上がっていくと、投手は中5日なんて夢物語、毎日のように(よくて中1日で)登板しなくてはならないのでしょうか?負けられないが故に、挑戦することよりもミスしない選手を育てるために過度な練習をしなければならないのでしょうか?その結果、大人になってから本来もっと活躍できる可能性を持っていた選手をつぶしている可能性はないのでしょうか?
水を差すようですが、この時期だからこそ、今一度冷静に、客観的に、日本の野球をよりよくしていくための方法を考えて行動するべきではないかなと思います(自分も含めてです!)。

今日のサマーリーグの試合後、カリブ海を眺めながらカリブの英雄ロベルト・クレメンテの言葉がふっと頭をよぎりました。
Cuando tienes la oportunidad de mejorar cualquier situacion,
(君の前に、どんなことでも改善するチャンスがあって、)
Y no lo haces
(もし、君がそれをしないということは、)
Estas malgastando tu tiempo en la tierra.
(君はこの地球上にいる時間を無駄にしているんだよ。)
(※クレメンテ選手はメジャーで3000本安打を達成した直後、ニカラグアで起こった地震の被災者に心を痛め、自ら救援物資を運ぶために乗った飛行機が墜落し、そのまま現役中に帰らぬ人となったプエルト・リコ出身の選手です。)
すぐには変わらない、でも諦めずに、少しずつ着実に行動していくことが大事かなと!
日本の子供たちの未来にとって本当に良いものは何なのかを模索しながら!
まずは大人の固定概念を破壊するところから!?

7月21日深夜にドミニカ共和国へ到着。
早速、お世話になっているアミーゴ(友達)たちを順番に訪問しています。
連絡をしてから訪問すれば満面の笑みで迎えてくれ、突然訪問すれば驚きの表情でみなさん迎えてくれます。
小さな子供たちは相変わらず大人の顔色を見ずにフルスイング!ただでさえ多かったのに、野球をプレーする子供たちがさらに増えているような気がします。

いつも練習を見せてもらっているプログラムからは4名もの選手がマイナー契約してプロ入りしていました。たった数十名の選手の中から4名も・・・。

そして、相変わらず穏やかな笑顔で迎えてくれるLAドジャース・コーチのアントニオ・バウティスタさん。これまでドミニカ共和国を訪問した日本の方々(選手や先生方)が活躍していることを伝えると静かに頷きながら語ってくれました。
『時間と費用をかけてドミニカ共和国まで学びに来る。その行動自体がとても価値あることだよ。そのような行動を取れる人には結果は必ずついてくる。謙虚に学び続ける、これこそが人生において最も大切なことだから。私が出会った日本のみなさんの成功を信じているよ。』と。

半年ぶりに訪れたドミニカ共和国ですが、率直な感想は『前進、進化しているな・・・』と。ますます有望な選手を輩出する環境が整ってきているのではないかと・・・。
我々も立ち止まっている暇はない。変化を恐れず、常に学んで、新たなチャレンジを!!まずは大人がね!!自分がね!!


先日からフロリダ州のセント・ルーシーという街まで来ています。
最寄りのこじんまりとしたウエスト・パーム・ビーチ空港から北へ1時間、フリーウェイが走っているとはいえ、けっこう田舎です。



ここには、ニューヨーク・メッツのコンプレックスがあり、シーズン前のスプリング・トレーニングではメッツのメジャーからマイナーまで、すべての選手が一斉に練習を行える広大な施設です。外野まで全面取れるグラウンドがメイン球場含めて6面、その他にもブルペンやバッティングゲージも多数あります。桁外れの規模に頭がクラクラします。

夏のシーズン中は、マイナーリーグのシングルAアドバンスのカテゴリーに属するセントルーシー・メッツとルーキーリーグのガルフコーストリーグ・メッツがここを本拠地にしています。

セントルーシー・メッツはドミニカ共和国のウィンターリーグ球団・エスコヒードの監督を務められているルイス・ロハスさんが監督を務められていて、久しぶりの再会に驚きつつ、ものすごく喜んでくださいました。わずかな時間でしたが監督業のこと、家族のこと、色々話してくださって嬉しかったです。

(平日のデーゲームは学校の遠足の子供たちでいっぱい!大盛り上がりでした♪)
どんな時でも誰にでも分け隔てなく接する彼と、また一緒に仕事することができれば良いなと改めて感じました。

お隣で練習・試合をしているガルフコーストリーグ・メッツはルーキーリーグということもあり、アメリカの新人選手もたくさんいるのかなと思いきや、アメリカでドラフトされた上位の選手はシングルAからスタートすることが多いようで、ドラフト下位指名の数名を除いてはほとんどがドミニカ共和国・ベネズエラなどのラテンアメリカ出身選手でした。
昨年はドミニカのアカデミーでプレーし、今年はこのアメリカのルーキーリーグでプレーしている選手も多い様子で、試合中の雰囲気もドミニカそのまま、会話もスペイン語がほとんど、逆に少人数で放り込まれたアメリカ人が母国にいながらマイノリティーになり、落ち着きなくしているのがかわいらしかったです。

昨年、ドミニカのメッツアカデミーで勤務されていたトレーナーのダイチ~こと有馬さんも今年はこちらで勤務されていて、滞在中たいへんお世話になりました。

18~20歳前後の選手たちですので、まだまだ粗削りですが、投手の真っ向勝負にフルスイング、守備もドミニカにいる時よりもさらにレベルが上がっているように思えます。
文化も言葉も違うラテンアメリカの選手を、まずは母国のアカデミーでじっくり育成し、アメリカに渡ってからも徐々にアメリカ文化・習慣・食事(?)・英語になじませつつ、時間をかけてゆっくりじっくり育成しているように感じました。
彼らの活躍は、身体能力の差、ハングリー精神の差ということではなく、この育成にかける時間と労力が大きな要因ではないかなと思います。ということは、日本人にもできるということ!!日本からもこういう流れができて、メジャーリーグに挑戦する選手がどんどん出てくるように、そんな環境作りに今後微力ながら貢献できればと思っています。
フロリダ、セント・ルーシーを後にして、これからドミニカ共和国へ向かいます!
みなさん、こんにちは!
こちらはアメリカから無事帰国し、まもなくアメリカ・ドミニカに向けて出国です(汗)。

アメリカもそうですが、これまで特にドミニカ共和国をはじめとするラテンアメリカ諸国で学んできたことを、少しでも日本の野球関係者に還元することができればと思い、全国各地での単発のセミナーだけではなく、昨年度は大阪で年間6回の『BBフューチャー 若手指導力向上セミナー』を定期的に開催しました。
毎回約20名の方々にお越しいただき、その方々は今年は2年目のAAコース(マイナーリーグと同じくシングルAからダブルAに昇格!!)にお越しいただいています。
今回の帰国の翌々日には2年目のシングルAコースの2回目を開講。夏の大会前のお忙しい時期にも関わらず、約15名の方に出席いただきました。『日本の野球はこのままでいいのか?打開するためのヒントがあるのではないか?』とお越しいただける方々の期待に少しでも応えることができていればうれしく思います。


そして出発当日は今年からスタートした神奈川Aコースも実施することができました。
こちらも、約15名の方にお越しいただき、延長戦突入しながら有意義なお話ができたかなと思います。その後、駆け付けた羽田空港!何とか間に合って深夜便で渡米しました(^^;)


大阪・神奈川ともにテーマは『敬意』。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、海外での指導においては何よりも最も必要なもの、指導者と選手の間のお互い敬意についてディスカッションさせていただきました。
さらにさらに、9月からは千葉県でも開催させていただきます。
FB案内→
https://www.facebook.com/events/1141179429237187/ コクチーズ案内→
http://kokucheese.com/event/index/411590/ 日本はこれから夏真っ盛りですが、ちょっと心を落ち着けて客観的に『子供たちの未来』を冷静に見つめる機会をご用意できればと思っています。
各会場へのご参加、お待ちしております!!
メール info@bb-future.net
電話 072-277-3393
BBフューチャーまで!!

アメリカ北部のシカゴからさらに北へ飛行機で1時間、レンタカーを借りて1時間、ミシガン州のミッドランドを訪問しました。カナダ国境までももう少し(?)、ここまで来るとさすがに街中でラテン系の人々も見かけなくなります(笑)。



このミッドランドという小さな町を本拠地にしているのは、LAドジャース傘下(シングルA)のグレートレイクス・ルーンズ。20歳前後の若手選手たちが将来の自身の活躍を信じて日々練習・試合に臨んでいます。
そして、このチームに1人の日本人コーチがいらっしゃいます。

Fumiコーチは、日本での選手の実績もさしたるものはないものの(?)、プレーヤーとしてドジャースのトライアウトを受け、その後はマイナーの選手、通訳、ブルペンキャッチャー、アシスタントコーチを経て、昨年から正式にドジャースのコーチとして務めておられます。マイナーとはいえ、メジャーリーグ球団に人柄を買われ、コーチの職に就くというのは大変なことだと思います。そして、ここまでの苦労も、現在されている苦労も、我々の想像をはるかに超えるものでしょう・・・。
メジャー球団の指導者の方、ドミニカ共和国のウィンターリーグの指導者の方、これまでお話しする機会をいただいた方々は(もちろん、我々からすると外国人です。)みなさん非常に温厚で優しく、すべてを受け入れてくれる安心感がそこにはありました。
大事な試合の直前でも嫌な顔一つするどころか、向こうから声をかけてきてくれて、私なんかの話(おそらく彼らにとっては何のメリットもない?)を親身に聞いてくださります。あの、引き込まれそうな魅力は何なのか?日本人には放つことのできない魅力なのかな?と思っていました。

しかし、まさにこのFumiさんこそが、そんな空気を持った方でした。
このような魅力があるから指導者として認められるのか、指導者としての業務にあたることでこのような魅力が身についてくるのか・・・・。
先日の川崎選手同様、あえて厳しい環境で、1人で、最高峰の舞台に挑戦されている日本人の方が示されているような気がします。
『日本人もやればできる!ただ、やろうとしていないだけなんだ!』
同年代の2人の姿を見て、話しをさせていただいて、自身も自身の道で挑戦を続けよう!と気持ちを新たにすることができました。


今回はロサンゼルスからヒューストン、オクラホマシティ、シカゴ、フリント経由の移動で、アメリカを西から南経由で北へ縦断するような行程になりましたが、グレートレイク・ルーンズの本拠地ミッドランドは東京からも直行便のあるシカゴやデトロイトからたったの1~2時間。ぜひ、日本の多くの指導者の方がFumiコーチを訪れ、学ぶ機会が増えればと思わずにいられません。
忍耐強く、決して選手への敬意を忘れず、どんな選手に対しても、どんな状況であっても、親身に指導にあたる姿は野球関係者でなかったとしても学ぶべきかなと思います。

帰国前日はデトロイトまでドライブし(ミッドランドから2時間)、コメリカパークでデトロイト・タイガースの試合を観戦。ここ10年の成績で言えば、間違いなく世界最高峰の打者(?)ミゲル・カブレラの特大ホームランと芸術的なライト前タイムリーでしめて帰国の途につきました。

今回、このような機会をいただき、皆様に心から感謝しています!
帰国後またすぐに出国ですが引き続きよろしくお願いします!!