『オクラホマシティにて偶然の再会・新たな出会い』

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 アメリカLAから、飛行機を乗り継いでオクラホマシティという街まで来ました。
 LAとは違って、州都ながら非常にのどかです。

 ここに本拠地を置くのは、LAドジャース傘下(AAA)のオクラホマシティ・ドジャースですが、今回の滞在の目的はその対戦相手の選手でした。
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 1日早く到着したため、まずは下見で球場へ。この日は試合はやっていないと思い込んでいたのですが、別のチームとの対戦があるようでふらっと中に入ってみました。
 何気なくメンバー票を見ていると、懐かしい名前が!
 昨年・一昨年とドミニカ共和国のウィンターリーグ球団『エスコヒード』で非常によくしてくれたペドロ・シリアコ選手と再会、偶然の再会にお互い笑ってしまいました。
20160627 Ciriaco

 守備・バッティングとも素晴らしい技術を持っており、これまでもメジャーで何試合もプレーしていましたが、さすがに競争の激しいメジャーリーグ、残念ながら今年は今のところ40人ロースターにも入っていないようです。本当に厳しい世界です・・・。

 翌日、改めて球場へ向かい、シカゴ・カブス傘下(AAA)のアイオワ・カブスでプレーする川崎選手に会うことができました。
 この日も前夜からバスで10時間の移動で、午前に到着してそのままナイターの試合というマイナーリーグの過酷な環境の中での試合です。日本にはもっと良いオファーと環境があるだろうにも関わらず、たとえマイナー契約であってもアメリカでのプレーを選んでおられます。
20160627 mune yoko

 自分の評価がどうこうよりも、少しでもうまくなりたい、自分が少しでもうまくなれる環境に身を置きたいと、35歳ながら安定を求めず常にチャレンジされています。(同い年ながら頭が上がりません。)

 疲れているだろうにもかかわらず、この日も翌日も試合前に時間を取ってくださり、嫌な顔一つせずに色々と話をしてくれました。
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 『こんな世界(アメリカの野球の面白さ)があることに、自分がもっと早く気づいていればと思うことがある。だからこそ、今の日本の子供たちにももっともっと知ってほしい。日本の野球の素晴らしい部分はもちろんあるけど、決してそれだけではないことを知ってほしい。外国人とは身体能力が違うなんて言う人もいるけど、全然そんなことない。彼らは自分の身体をうまく使う方法を知っているだけで、それも練習や試合の中で習得しているんだ。日本人にはできないなんて最初から思わないでほしい。ただ、やろうとしていないだけなんだ。やればできるんだ。そのためには、目先の結果に捉われないこと。自由な発想でプレーすること。アメリカ人もドミニカ人もたくさんミスしている。でも、ここには思い切ってミスができる環境があって、そのミスから学ぶことができるんだ。大切なことはチャレンジを続けること、指導者がチャレンジできる環境を作ることなんだと思う。』
 常に自分と向き合って実践している人の言葉は胸にしみます。

 こんな過酷なスケジュール・環境で練習し、試合に臨む彼をほんの数日見ただけですが、本当に野球が好きなんだな~、好きな野球をもっとうまくなりたいという向上心がなくなることはないんだろうな~、と感じました。
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 相手チームの選手が試合前に目新しい練習をしていたら『あれ良いな~!やらしてもらおう!』と飛び出していく姿にも驚きましたし、日本語・英語・スペイン語を交えてコミュニケーションを取り、気づけば彼の周りにラテンアメリカ出身の選手が集結していることにも驚きました。『こんなナイスガイと一緒に野球ができるとは思ってもみなかったよ!彼みたいな最高の人間と一緒にいれて本当に嬉しいよ!』と満面の笑みで語るコーチの言葉は決してお世辞には聞こえませんでした。

 『人の評価よりも、常に自分の能力向上を目指す。』お恥ずかしながら同い年の彼から大いなる刺激をいただいた滞在になりました。
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『大人たちよ!少年に大志を抱かせてあげてください!』


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 先日から渡米してロサンゼルスで4日間滞在し、現在はオクラホマシティまで移動してきました。

 ロサンゼルスではドジャースタジアムとエンゼルススタジアムの両方で今年初めてのメジャー観戦。やはり、世界最高峰の舞台での投手と打者の対戦は迫力があります。
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 アメリカはもちろん、ラテンアメリカ出身の選手たちも多く活躍しているメジャーリーグですが、残念ながら日本人をはじめとするアジアの選手はまだまだ少ないのが現状です。
 アメリカ人以外の外国人選手の割合は約27%で、そのうち92%がドミニカ共和国・ベネズエラを代表とするラテンアメリカ諸国、日本は全体の1%にも満たない0.8%です。

 もちろんそれには色々な要因があると思いますが、そのうちの一つに『知らない』がゆえの『意識していない』ということがあると思います。
 ラテンアメリカでは指導者も選手も、子供の頃からメジャーリーグを意識して、常にそれを目指してアプローチしていきますが、まだまだ日本はそのような環境ではないと思います。子供たちは多感な反面、まだまだ情報を得る範囲は限られていますので、そういった意味では周りの大人の引き出しの多さが子供たちの人生にも影響してくるのではないかなと思います。

 クラーク博士の『少年よ大志を抱け!』ではありませんが、まずはそれ以前に『大人たちよ!少年に大志を抱かせてあげてくれ!』でしょうか。
 日本のプロ野球を否定したいわけではありませんが、日本の選手たちが世界最高峰を目指せる環境を微力ながら作っていきたいなと思っています!

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