一昨日から新潟に来ています。
高校3年間を過ごした、日本の中での第二の故郷です。
高校時代からそうですが、新潟の方々はとにかく温かい。
いくつになっても、いつ行っても、多くの方々が変わらぬ笑顔で迎えてくれます。
そんな縁のある新潟で、新たな取り組みを始められないかと提案を始めています。
もちろん、最初に話をするのは、明訓高校時代の恩師であり、現在は新潟医療福祉大学の監督を務めるあの方です。
『様々な国の野球を8年間に渡って見る機会をいただきました。
その過程で段々と日本の野球を客観的に見るようになってきました。
日本の野球は良いところもいっぱいあるけども実は間違ったところも多々あり、
これを大きく変えていきたいんです。とくに高校野球・・・』と。
30年近く、甲子園を目指して多くの時間と労力を割き、何度も導き、
夏の大会ベスト8にまで勝ち上がった恩師に、いわば、
『あなたの指導は間違っていた。』までは言わなくても、
『あなたの指導はベストではなかった。』と言っているようなものです。
そんな恩師と、午前中は大学で、夜は2人で食事しながら、様々な話をさせてもらいました。
寿司屋のマスターも冷や冷やのトークは尽きることはありませんでした。
『おれの30年間を全て教え子に否定されているようで!?まだまだ理解できない。
でも、老いては(まだまだ若いけど、笑)子に従えだ。
お前の考えも全力で応援したいから、理解できるようにおれももっと勉強していきたい。』
心温かい恩師の言葉を胸に、新潟から東京に向います。
新潟の皆さん、やんちゃくれ(規格外?)な自分ですが、末永くお付き合いください。

今年に入ってグアテマラから帰国し、その後たくさんの方から、今は何しているの?何がしたいの?どうやって稼いでいるの?とよく気遣っていただいています。大変ありがたい話です。
月日が経つと思いも薄れてしまうものなので、ここにちょっと考えを記載しておこうと思います。
①ラテンアメリカで痛感させられた、選手指導法に関する日本との大きな違い
ドミニカ共和国のMLB球団アカデミーで長年指導されている方(ドミニカ共和国人)とグアテマラ派遣中に一緒にお仕事をさせていただき、様々なことを学ばせていただく中で、彼らの指導方法と日本の指導方法に大きな違いがあることに気付かされました。
小学生は好きなように思いっきり野球を楽しみ、中学生はアカデミーにスカウトされるために個人の可能性を広げ、アカデミーに入ったら将来にわたって活躍できるように着々と準備をする。
もちろん各年代で試合もありますが、その日の勝利よりも将来にわたって活躍するために個人の能力を存分に伸ばせる場所がドミニカ共和国にはあります。
一方で、日本では小学生から大学生まで、いつの時代も子供たちはその年代ごとに勝つことを求められています。日本でよく見る光景、負けたチームの監督が選手を叱る、チームの勝利のためにエースが投げすぎる、その年代の大会に勝つために猛練習をする、ということはドミニカ共和国のどこを探しても見当たりません。
指導者と選手の関係も、ドミニカ共和国ではお互いがお互いをリスペクトしています。指導者も選手に対するリスペクトを全く怠らないんですね。
これはもしかしたら、日本の野球指導って(野球に限らず?)、とんでもない間違いをしているんじゃないの??と、現地で感じたことがきっかけです。
②日本の野球指導現場を少しでも正しい方向に!
確かに日本の野球にも良いところはあります。グラウンドにゴミを捨てずきれいに使う、道具を大切に扱う、例え試合に出られなくても味方の選手を応援する(コロンビアの子供たちはスタメンじゃなかったら、おれを使わない監督はバカだと言って家に帰ってしまいました、苦笑)。これらは日本では当たり前のように行われていますが、実は世界に誇れる日本の素晴らしさだと思います。
一方で、長い視点で見た選手の技術向上のための指導、将来の可能性を広げるための指導という意味では、プロから少年野球までもっともっと改善点があるのではないかと感じています。
指導者だけでなく、マスコミも学校も保護者の方々も、良かれと思ってしていることで逆に子供たちの能力を狭めてしまっているのではないか?と思う自分がいます。
それは、①で記載したように、小・中・高・大の各ステージで常に勝つことが求められているが故の大きな代償なのだと思います。プロの若手もそうですね。
もちろんゲームだから勝つためにやるんです。でも、勝敗よりももっと大事な10年後・20年後に子供たちがどう育っていくか、そのために大人はどうあるべきか、ここをもっともっと追究していく必要があるのではないかと感じています。
日本の規律・協調性を大切にしつつ、一方でドミニカ共和国の子供たちのように、もっと伸び伸びと個人の能力を伸ばすことのできる環境を日本の子供たちのために作っていきたいと思っています。
③もうかりません!?
上記で述べた考えをどんどん広げていきたいと考えていますが、もちろんそんな簡単なことではないでしょう。すぐに変わることもないので、できる限り長く継続していくことも大切です。
こういった思いや考え方をある程度の形にして、ビジネスとして成り立たせて継続していく必要があると考えています。
やりたいこととやらなければならないことが一致しているので、非常に楽しみな一方で、本当にこれを継続していけるのかという不安ももちろんいっぱいです。
それでも、日本の子供たちの将来のために、とにかく行けるところまで行ってみます。そして、成果を出していくためにはもちろん自分一人ではできることが限られています。皆様の協力あってこそですので、これからも引き続き暖かいご支援をお願いするとともに、色々と企画した際にはこのブログなどを通じて発表させていただきますので、可能な限りご協力いただけるとありがたい限りです。
日本にも素晴らしい文化・習慣があります、でも野球に限らず全ての面で我々はもっともっと国内外問わずに学んで成長することもできると思います。みなさんと一緒に学びながらより良い日本をつくっていくことができればと願っています。

(このパキスタン遠征後、デング熱を発症・・・)
日本は先月からデング熱で大騒ぎしておりますが、元デング熱患者からすると出血性デングになると本当にきついのでぜひ罹らないように気を付けることをお勧めします。
自身は2006年にスリランカで刺された蚊により、シンガポールで発症。10日間ほど入院し、2日にわたり輸血もしました。40度近い高熱が何日も続き、何キロもやせました。ほんまに泣くほどきつかったです。
罹らないために気を付けることは2つ!
まず、蚊に刺されないこと。特に午前・午後6時ころに熱帯シマ蚊の活動は活発になるので気を付けましょう。
もう一つは疲れないこと。デング熱はウィルスが体内に入り込んでも元気であれば発症しません。
開発途上国の人は働かない!!(スポーツでいうと)練習しない!!と言う人もいて、それは事実なんですが、デング熱だけではなく、疲れていると厳しい気候や悪い衛生状態から体調を崩してしまうからなんですね。
日本でもデング熱がついに流行し始めました(気候も変わってきているのでそのうち流行るだろうと思っていましたが)。これを機に、働き過ぎない、スポーツの現場でいうとやりすぎず、早めに家に帰るよう試みてはいかがでしょうか?
某国では毎年デング熱が流行し始めると、「デング熱になりたくないから」という理由で3時ころには会社を出て帰宅するそうです。それでも経済・社会は回っていくし、有望なスポーツ選手も輩出できるんですね。

多くの方がお気づきではないかもしれませんが、この週末に日本のアマチュア野球界にひとつの変化がありました。
日本の中学生レベルの大会において、これまでになかったリーグ戦形式の大会が開幕し、これから週末を中心に約3か月間の日程が組まれています。
日本のアマチュア野球といえば、小学生から、中学野球、高校野球、社会人野球まで主にトーナメントで行われていますが、野球とはそもそもリーグ戦で行われるスポーツなんですね。
そもそも日本以外ではどこの国でも、すべての年代において、リーグ戦が基本です。逆に日本だけなんですよね、トーナメント制で行っているのは。
プロ野球を見ていただいても、80勝60敗ペースでも優勝の可能性がある。4勝3敗ペースでいいんです。なかなか野球のように、やってみないと今日はどっちが勝つかわからないというスポーツは珍しいのではないでしょうか?勝っても負けても次の試合があり、終わったことをうまく切り替えて次の試合に臨んでいく必要があるんですね。仕事も恋愛も(?)、人生も一緒ですね。
しかしながら、トーナメント制の場合、勝たなければ明日がない。勝つためならどんな手段を使っても、となってしまうんです。エースの投げ過ぎ、若年期からの変化球多投も言ってみればトーナメント制という環境から生まれてきてしまっている部分もあると思います。プロでも負けてもいいのに、負けたら最後のトーナメント制で野球をやらなければならない日本の子供たちは本当に酷です。
打たれてもいいから思い切ってストライクゾーンに投げ込む、三振してもいいから初球から思いっきりバットを振っていく、エラーしてもいいから思い切った守備に挑戦する。
失敗してもいいからやりたいように挑戦してみる!もちろん勝つためにやるんですが、子供のうちはそれだけでも十分じゃないでしょうか??
この取り組みがいずれ日本のスタンダードになる日(日本が世界に追いつく日)が来ることを切に願っています。まるで練習試合のように始まった瞬間が歴史的瞬間であったと語られる日が来るように・・・。

2006年に半年間タイナショナルチームの指導で赴任していた際に、あいている時間を利用して練習を見させていただいていたタイ唯一の野球クラブチームです。
青山さんという現地在住の方が、13年前からチームを運営して指導に当たられています。
8年ぶりに訪問し、もちろん子供たちは(子供たちだけじゃなくコーチ陣も)すっかり入れ替わっていますが、現地在住の日本の子供たちとタイの子供たちが楽しそうに野球する姿は今も昔も変わりません。
現在は日本人7割、タイ人3割という選手構成のようですが、最近マンガの影響などで、野球をやりたいとやってくるタイの子供たちが増えてきているようです。
タイ唯一のチームですので、定期的に試合をしたりできない環境の中で、ただただ野球をやりたいという子供たちのために尽力されている関係者の方々には頭が下がります。
タイののんびりした空気の中で、残念ながら試合はないけど野球を楽しむ環境がある・・・。少年時代に無理しすぎずに伸び伸びとこういう環境で育った子供たちが、将来大舞台で活躍する日がくるかもしれませんね!!
8年ぶりの訪問にもかかわらず、温かく迎えてくださったサンダースの方々ありがとうございました!!

バンコク足踏みトランジット最終日、たまたまU18のアジア大会がタイで開催されており、タイの野球関係者のみならず、スリランカチームとも再会できました。
2007年に台湾で開催された同じU18の大会にスリランカチームのコーチとして参加させてもらった日々がよみがえります。(その時の様子は過去のブログにて http://sakana0526.seesaa.net/category/3729942-1.html )

残念ながら、大会前日に自分は帰国となりましたが、前日練習に訪れると懐かしいメンバーがすごく驚いて喜んでくれました。
そして練習を見てびっくり。7年前と比べてめちゃくちゃ上手になっています。聞くと、高校生の年代での野球チームは国内で19チームにまで増えたそうです。この10年くらいでとてつもなくチーム数が増えているのではないでしょうか。
まだ野球道具を売っている店は国内にないらしく、引き続き日本などからもらった道具を大切に使っています。
いくら上手になっても、ファールボールが飛んだら一目散にボールを探しに行き、練習終了後はボールの数を何度も数えてチェックする彼ら・・・、練習終了後に選手たちに話してあげてくれと言われましたが、そんな素敵な彼らに特に何もありません。
『結果は気にせず、思いっきり投げて打って走って、野球を楽しんでね!イワライ(以上)!!』

その後、懐かしいタイの選手たちともバッタリ再会できました。
帰国翌日からU18アジア大会開幕。後ろ髪をひかれる思いで(?)帰国しました。
世の中にはいろんな環境で野球をする子供たちがいます。例え同じアジアでも、野球道具が買えない国もまだまだあるんですね。もちろん勝利のために精一杯戦うのですが、それぞれがそれぞれの環境の中でベストを尽くす、野球を楽しむ、これこそが最も大切なことなのかなと改めて思います。