
ご存知の通り(?)、今年もMLBでラテンパワーが全開です。
なかでも、現在アメリカンリーグ打率トップのアストロズ所属ホセ・アルトゥーベ選手(ベネズエラ出身)はなんと身長165センチ!現役メジャーリーガーで最も背が低いらしく、噂では161センチとも言われているみたいです。
2012年の開幕シリーズで彼のプレーをヒューストンで見たとき、それはそれは本当に小さく見えました。そりゃあ、大きいお兄さんたちがいっぱいいるMLBで165センチはだいぶ小柄です。こんなに小さくて、シーズン通してやっていけるのかなと思っていたら、2012年も2013年もレギュラーとして出場し続け、特に今年は前半から絶好調でオールスターにも選ばれました。(2012年も選ばれていたみたいですね。)
そして、そのオールスターをテレビで見て改めてビックリ!!ものすごく小柄なのに思いっきりバットを長く持って強烈フルスイングです。
えっっ!!
改めて見ると彼のバッティングスタイルはそうなんです。小柄なのにすっごい豪快です。
そして、残念ながら思ってしまいました。日本に生まれなくて良かったねって・・・。
おそらく彼はどの年代においても小柄だったのでしょう。それでも彼は豪快にバットを振り続けてきたのだと思います。指導者もそれに対して何も言わなかった。
もし、日本だったら、『君は小柄なんだからバットを短く持って・・・』、『バンドやエンドランなど小技をしっかりできるように・・・』、『少しでも出塁してチームに貢献できるように左打ちに・・・(彼は右打ちです)』と、どこかのタイミングで言われていた可能性は高いなと(自分も言ってしまっているだろうなと・・・反省)。そして、従順な日本の少年ホセ君は指導者の言うことを忠実に守り・・・。
改めて子供の可能性を絶対につぶしてはいけないなと彼のスイングを見て思いました。彼は大きくならなかったけど最高峰のMLBでもはや大打者です。そして、他にも子供のころは小さかったけど、だんだんと大きくなって活躍している選手もいっぱいいるでしょう。子供のころ(特に将来大きくなるかどうかも分からない小・中学生の時に、子供だけじゃなくプロになってからも)小柄だからという理由で、決めつけてはいけないということですね。
アルトゥーベ選手、引き続き豪快なスイングを楽しみにしています!!

ヨルダンの仕事が予定より少し早く終わって(終わらして?終わらされて?)、経由地のタイで4泊(バンコク→大阪行きのチケットが変更不可で足止め)。
バンコクに4泊もあれだし、プーケットはちょっと遠いし、パタヤは人がいっぱいいそうやし・・・、ということで列車に3時間半ゆられて(当然のように1時間余計にかかって4時間半で)Hua Hin(フアヒン)へ。
ちょうどオフシーズンで旅行者が少なく良い感じにのんびりしていました。
シーフード料理とタイマッサージの店とどこにでもあるタイの地方都市の光景ですが、こんなところにベネズエラ国旗が。入ってみると、本当にベネズエラ人が経営している店でした。
注文すると、接客そっちのけでしゃべり始めるオーナー。ものすごいメジャーリーガーをたくさん輩出しているベネズエラにぜひ行ってみたいと話すと、『自分たちの国は本当に素敵な国だけど、残念ながら今はお勧めできない。政治も不安定で、経済も良くない。悲しいけど、そこら中で強盗殺人が起こっているよ。だから、前から気に入っていたタイにベネズエラから逃れてきたんだ。』とのこと。
自分の国が住めないくらい危険な状況になるって、平和な時代の日本に生まれた我々には想像しがたいが、現実にそういうことは世界の中で起こりうるのだろう。もちろん、願わないがいつか日本もそうなる可能性はゼロではないと思う。
陽気なベネズエラ人に『ご両親は元気?』と聞いたとき、一瞬すごく悲しそうな目をした。危険な祖国に両親をおいて、未知の土地で明るく商売を始めるベネズエラ人。世の中には国籍問わず見習うべき人がいっぱい!!
冗談抜きに久しぶりの南米料理おいしかったです。商売が成功して、両親をタイに呼べますように!それよりも早く、祖国が安定を取り戻し、家族みんなで穏やかに暮らせる日が来ることを願いつつ・・・。

今回、約8年ぶりにイスラム教の国で過ごした。だからって、わずか数週間でイスラムのことをわかるわけもないけど、少なくとも日本で報道されているイスラムのイメージとは大きく違うことを改めて実感させられる。
これまでパキスタン、カタール、イエメンなどを訪問してきたが、それらの国の人々と同じく、ヨルダンの人々もおしゃべり好きで、おせっかいすぎるくらい親切で優しかった。
確かに報道されているようにイスラム過激派というのも実在するのだろうけど、99%以上のイスラム教の人々は戦争なんて望んでいない穏やかな人々だと思う。(ただし、車を運転する時だけは人が変わるのも事実。)
イスラムの時間は伸び縮みするようにいつも感じる。人々はあらゆることに時間をふんだんに使う。レストランでの注文もあれやこれやと店員と話しはじめてなかなか進まない。喫茶店(?)では水タバコを口にくわえて長々とおしゃべり。え?そんなのんびりしていていいんですか?効果・効率を考えると全く真逆の行動をみんな取っているのに、それでも経済が回っているのもまた不思議。(ちなみにヨルダンは石油が取れないにも関わらず・・・。)
もちろん、生きていくうえでお金を稼いでいくことは大切。ただ、それと同じくらいかそれ以上に大切な時間の使い方を、我々は彼らから学ぶことができるかもしれない。
ホテルのガードマンは仕事中でも道路に小さな敷物を敷いて、サッカーのコーチたちはハーフタイムに芝生の上でお祈りをする。日本では、大げさに言うと『宗教に熱心=戦争に近づく』と思われている節もあるが、彼らが戦争を望んでいるとは決して思うことができず、もしかしたら我々以上に穏やかに慎ましやかな人生を望んでいるようにも見受けられる。これまた百聞は一見に如かずやったんかな。
ヨルダンの方々、素敵な出会いをありがとう。

アンマンでタクシーに乗って、運転手さんに英語で行き先を告げてオッケーって言ったのに、走り出した途端に『No English!』と叫び出し、どこに行けばいいんだみたいにアラビア語でわめき出した!
必死にアラビア語と英語を混ぜて行き先を叫んでたら、突然大笑いし始めて、『嘘だよ、僕は英語ちゃんとわかってるよ!ガッハッハー!』って。
そんな運転手さん日本にいる?
あまりにおかしかったので、最終日に空港まで送ってもらうことにしました。

この週末、生まれて初めて砂漠の中で眠った。
ヨルダンの首都アンマンからバスとタクシーを乗り継いで5時間半ほど。絵に描いたような砂漠とそそり立つ岩山。ゆっくりと通り過ぎるラクダたち。ワディラムにはベドウィンと呼ばれる民族が今も暮らしている。
昼の絶景、サンセットの美しさ以上に驚かされるのは満点の星空。ものすごく大きな流れ星もいくつか見られる。
夜10時過ぎ、みんなが寝静まるとマットを砂漠に敷いて寝転がる。星の光以外、何の明かりもなく、何の音もない正に静寂。
ため息は疲れた時や嫌な時にしか出ないと思っていたけど、あまりにすごい光景に出くわした時にもいっぱい出るらしい。
余計なものが何もないということがこれだけ素晴らしいとは知らなかった。いつの間にか我々はあまりにもたくさんのものにしばられ、見えるものも見えなくなり、聞こえるものも聞こえなくなり、感じられるものも感じられなくなってしまっているのではないか。何もなかった時代の太古の人類はもしかしたら宇宙とも交信できたのではないか。そんなことさえ想像してしまう強烈な星空。
朝食をいただいてワディラムを後にすると、そのとたんに、これがほしい、あれがしたいと考え始める自分、まあたった一晩でそんなに簡単に人間変われるわけないわな。
ペトラ遺跡(多分行かずに帰国する)や死海が有名なヨルダンやけど、ワディラムだけのために来ても良いと思う。宇宙を感じたければ夏の新月の夜にワディラムまで。

ヨルダンのスポーツトレーナー技術向上のために、日本人トレーナー4名が奮闘されている。
ただし、指導しても指導しても、彼らは答えだけを求め続け、日本人が何年もかけて習得した技術を1日(というより1時間くらい)で習得できると思っている。
『おれらが何年もかけて身につけたものを、たった数時間でできるわけね~だろ~!』
と、叫びたくなるのをこらえて彼らがホワイトボードに書いた言葉は『Rome was not built in a day!(ローマは一日にしてならず)』
しかし、ここはヨルダン、彼らも長い歴史の中で現在のような考え方で生きている。どちらが良いか悪いかは誰も決められない。もしかしたら、ヨルダンの人々をたった1ヶ月で日本人のように変えてやろう!と思うことが驕りという可能性もあり得る。
そう、『When in Rome, do as the Romans do!(郷に入っては郷に従え)』もまた然り。

Education is easier than reeducation.
『再教育するより教育する方が簡単だ・・・。』
ヨルダンでは昨年19歳のサッカー代表選手が、プレー中に倒れて帰らぬ人となった。
その後、ヨルダンのスポーツにおける環境を改善しようと奔走するヨルダン人のドクターと今回一緒に仕事をさせていただいている。(働いているなんて偉そうなことは言えず、冗談を言う相手として遊んでもらっているというレベルだが・・・。)
残念ながら、人が一人亡くなったというのに変わらない旧態依然の組織、新しいことを学ぼうとしないベテラン関係者たち。このままでは新たな被害者も出てしまうのではないかという危惧が彼にはある。
『一度、すべてを壊してゼロから始めてしまった方がよっぽど楽だ。ただ、彼らにも生活がかかっているのでなかなか容易ではない・・・。』
彼の言葉を聞いて、『ああ、我々も胸に手をあてなあかんな~。』と素直に思った。
こいつを再教育するのはやっかいだと思われないように、それぞれが『self-education!!』
とはいえ、彼自身もなかなかのツワモノで、毎日振り回されています・・・。

2006年から思いもかけない様々な縁により約8年間開発途上国で暮らし、現地の人々と共に活動する機会をいただきました。思えば、『野球を教えに行く!』と旅立ったものの、はるかに教えることより学ぶことの方が多かったように思います。それは決して野球に限ったことではなく、人生における本当に大切なことを彼らに教わりました。
まだまだ、彼らと共に暮らし、たくさんのことを学びたいという思いも持ちつつ、しばし生活の拠点を日本に置き、彼らから学んだことを日本のために活かすことができればなと今は思っています。
もちろん日本の皆さんからも、海外の人々からも機会を得て引き続きどんどん勉強させていただきながら。
今後、このブログを通じて、自分自身もみなさんも新たなことを学ぶ機会を増やすことができ、少しでも豊かな日本社会となるように貢献できれば幸いです。
これから改めてよろしくお願いします。
阪長@アンマン
簡単に自己紹介を・・・、
阪長友仁(さかながともひと)
1981年 大阪府交野市生まれ
小学1年から大学4年まで野球をプレー
新潟明訓高校、立教大学卒
2004年4月~2006年3月 旅行会社JTBに勤務
2006年4月~12月 スリランカとタイにて野球ナショナルチーム等を指導
2007年3月~12月 ガーナ野球代表チーム監督 北京オリンピック予選出場
2008年1月~2010年3月 青年海外協力隊としてコロンビアで野球指導
2011年1月~2014年1月 JICA企画調査員としてグアテマラで勤務
2014年~ NPO法人BBフューチャーに所属し、野球を通じた様々な取り組みを開始
性格: 明るく、前向き、たまに結構まじめな時もある
特技: 世界中どこでも行けること? カリブ訛りのスペイン語が話せること?
短所: じっとできない
好きなもの: お風呂、サルサ・バチャータなどラテンのダンスと曲、ビール、MLB!!
こんな私ですがよろしくお願いします。
2008~10年まで、南米コロンビアに青年海外協力隊として赴任していた際のブログはこちらです。
コロンビア野球少年、日本遠征時は皆さんに大変お世話になりました!!
http://sakana0526colombia.seesaa.net/