『楽しさと厳しさと』

 約1か月、ドミニカ共和国とアメリカに滞在し、日本に帰国しました。
ドミニカでは、主に17~18歳がプレーするメジャーリーグ30球団がそれぞれ所有するアカデミーの試合や練習視察に。
アメリカでは堺ビッグボーイズ及び友好チームとのロサンゼルス遠征に帯同しました。

0826遠征①

0826遠征③

0826遠征④

 日本でも、この間に球数制限に関する話題や議論がなされていましたが、球数に関する考え方は両国ともに全く違います。
ドミニカ共和国では将来ある有望な投手をいかに怪我のリスクから守り、成長していくための経験を積ませていけるかということを各球団細かく管理しながら進めています。
基本的には投手は70球まで、中5日の登板間隔。
佐々木投手の決勝戦登板回避の話をしても、当然であり、なんで話題になるのかさえ理解できないという様子です。
むしろ、投げさせるべきだったという論調があることを伝えると理解に苦しむという顔をされます。
日本には甲子園という伝統ある大会があるとはいえ、伝統よりも子供の未来に重きを置くことは当然と、我々も気づくべき時にきていると思います。


 様々なところで日本の野球は厳しい(修行のようなイメージ)、一方でドミニカ共和国の野球は楽しんでやる、という言葉を使って表現をすることがあるのですが、これではなかなか本当の意味でのドミニカ野球は伝えられないと、改めて今回の滞在で感じました。
確かに、小学生はとにかく楽しそうに野球をやっていますし、それでいいと思います。

0826遠征⑥

 アカデミーの選手たちも、とにかくアグレッシブに楽しくプレーしています。
ただ、その裏には厳しさも伴っています。
毎年、マイナー契約を結んでアカデミーに入ってくる選手は各球団20~30人前後、常に若い世代を育ていかなければ球団の未来は明るくならないため、常に球団は若い選手を獲得します。
そして、ドラフトでも各球団に30人前後(大学進学を選択するなど全員が入団するわけではありませんが・・・。)が指名されます。
合わせると50人前後が球団に加わるということは、その分、枠をあける必要があるため、それだけの選手が契約を更新できなくなる可能性があります。


 マイナー契約をして、アカデミーに入っても、そこからアメリカ行きの切符をつかめるのは毎年数名ほど(アメリカに行けてもまだまだルーキーリーグですが・・・)、翌年も契約更新してアカデミーでのプレーが継続できればまだチャンスはありますが、契約更新できない選手、なかにはシーズン中に契約を切られる選手もいます。
その中で、コーチたちは、選手のおかれている厳しい環境を理解しながら、最大限の力を発揮できるように、プレーは最大限楽しむんだ!と指導しています。

0826遠征②

0826遠征⑤

 何事も枠は限られています。
チャンスも無限にあるわけではない。みんながなりたいものであればなおさら。
常にリスクがあるからこそ、その中で最大限の力を発揮できるようにプレーを楽しむ。改めて、そう感じたドミニカ野球でした。


 日本でも野球を『楽しむ』という言葉が少しずつ出てきているような気もしますが、ただ『楽しむ=気楽にやる』のではなく、リスクがあるからこそ、最大限に楽しんでいいプレーを出そうとする、そういった指導やチームのあり方が必要になってくるのではないかなと思います。


 この滞在で感じたことを、日本でも表現することができればと思っています!!
 引き続きよろしくお願いいたします!!
 

『日本人高校生投手の起用方法に?をいくつも浮かべるドミニカの方々』

皆さま、こんにちは。
日本は暑い日が続いていると聞きますが、いかがお過ごしでしょうか?
ドミニカ共和国も暑いですが、まだマシかなと・・・。

0803ロス1

 さて、日本では甲子園を前に投球数制限が話題にのぼりはじめています。
10年前はこのように取り上げられることはなかったもの、時代の変化を感じます。
8月3日のウェークアップぷらすでも特集が組まれていました。自身の活動も少し取り上げていただいています。
リンクはこちら
8月3日放送 『ウェークアップ!ぷらす』
※49:10頃から約20分間特集されています



 野球関係者であればご存じだと思いますが、岩手県大会決勝でエース投手が登板しなかったことが大きな議論を呼んでいます。監督の英断だという声もあれば、甲子園まであと1勝で投げさせないのはけしからん、という声も。



 実はこの登板しなかった佐々木投手はメジャーリーガーに関係する仕事の方は、世界的にもすでに存在を知っている人もいます。さすがに、決勝に投げなかったというニュースは海外には出ていないようで、このような出来事があったと話してみると・・・。



 彼らがまず驚くのが、そもそもまさか高校生に連投をさせるのが当たり前なのかと?そちらの方に目を丸くしています。そんな野球がこの世に存在しているのか・・・というような目で。彼らの感覚からすると英断でもなんでもなく前日に100球も投げたら翌日投げさせないのは当然。むしろ投げさせる指導者は失格という感覚です。



 8月3日にはドミニカンサマーリーグというメジャーリーグ各球団傘下のアカデミー(主に17~18歳の選手がプレー)の公式戦ドジャース対アストロズを観戦しましたが、2-1でサヨナラというロースコア。にも、関わらず、ドジャースは先発から3回、1回、2回、1回、2回と小刻みな継投。アストロズも4回、3回、2回と3人の継投。それでいて、先発投手は次回の登板まで中4日はあけることになっています。
アストロズ vs ドジャース

0803ロス2

0803ロス3



 もちろん、目指しているものが違う(彼らが目指しているのはメジャーリーグ)、大会運営方法も違う(彼らはリーグ戦)、国も違うので一概に一緒にする必要はないかもしれないけど、どちらが選手たちの将来を考えていますか?と言われれば、残念ながら答えは日本ではないといわざるを得ないと思います。



 それでも変化の兆しは見えていると思います。もちろん簡単ではないけれど、日本もきっと変われる、あきらめない限り!!
 日本野球をより良い環境に!学びと発信の旅は続きます。
 

日本の高校野球地方予選を観戦して

皆さま、こんにちは。
だいぶ長い間、ブログをご無沙汰していました。
この4か月ほども、おかげさまで全国各地で多くの方にお会いする機会があり、セミナーなどを通じて、これからの日本の野球のあり方について考える機会を持てていると思います。


まもなく、夏のドミニカ共和国へ出発予定ですが、今年は例年よりも出発が少し遅めのため、各地で高校野球の地方予選も何度か観戦しています。
主に、セミナーにお越しいただいている先生方の学校や、堺ビッグボーイズの選手の進学先などをタイミングが合うときに訪問しています。


7月8日はちょうど沖縄でのセミナー当日に行われた美里工業対北山高校の試合。
沖縄1
美里工業はセンバツ出場したことのある強豪校、北山高校もこの春に県ベスト4を果たした学校。
2回戦としては好カードで平日ながら多くのお客さんも観戦していました。
試合は7回を終えて1-1の同点、美里工業が8回表に3点、9回表に2点とり、最終的には6-1。


7月18日は大阪学芸高校と上宮太子高校の試合。
大阪1
こちらも、6回終わって1-1、そろそろ投手も疲れてきているなと思ったら、やはりミスも重なって7回表に学芸高校が4失点。


つくづく感じるのは、トーナメント制の大会における投手の交代のタイミングの難しさだなと思います。
本当は思い切って変えたい、変えるべきところ、ただし、トーナメントで次もわからないので、なかなかエースが打たれる前には変えにくい。


指導者にとっても選手にとっても、このような接戦を落とした時に、次はどのように戦っていくかという対策を立てて次戦に向かえればいいのですが、残念ながら現行のトーナメント制ではその機会が訪れることはありません。


簡単に変わるものではないことは重々承知していますが、このような接戦の試合を勝ったり負けたりしながらリーグ戦の中で何度も経験していけば、指導者にとっても選手にとってもものすごい成長につながるのになと改めて思います。


日本の選手のレベル・もともと持った能力は決して低くはない、だからこそ、選手たちがもっともっと成長できる環境を願いつつ、またどこかの現場で試合を見ることができればと思います。
日本野球がより良い環境になることを願って、今日もVamos!
高校野球2
高校野球1
 

『何かが動き始めている!!』

 皆さま、こんにちは。
 久しぶりのブログアップです!
 1月2日にドミニカ共和国より帰国し、日本での活動を再開、そして現在、少しだけドミニカ共和国へ戻ってきています。

 この野球オフシーズンの期間、日本の野球界では多くの変化の兆しを感じました。
 12月には私も高校時代を過ごした新潟県で、県高野連が来春の大会で球数制限を導入すると発表しました。2月20日に全日本高野連より再考を申し入れるという(よくわからない)返答があったものの、この波紋は消して消えることはないと思います。一旦、断念となるようですが、今後多くの議論を呼ぶことを期待しています。

1903175

 講師としてお声がけいただいた、1月5日の群馬野球フェスタ2019では、全日本軟式野球連盟の宗像専務理事より、学童野球においても70球の投球数制限を設ける意向と発表されました。

1903177

1903176

 そして、1月14日に堺ビッグボーイズのOBである、横浜DeNAベイスターズの筒後選手と実施した堺ビッグボーイズ小学部・アグレシーボ体験会(4~6歳の幼児と小学生低学年の野球未経験者対象)には、先述の全日本軟式野球連盟・宗像専務理事や、慶友整形外科病院の古島先生(日本の中でも有数の野球肘障害に関するドクター)ら、多くの有識者もお越しくださり、体験会後のシンポジウムでは、筒香選手自ら、今回の全軟連の投球数制限など、変化を恐れない取り組みを応援したいと伝えました。

1903178

1903179

 もちろん、まだまだすんなりいかないことも多いと思います。様々な反対意見も出てきたりすると思います。
 ただし、大切なことは変われるところから変わろうと声をあげて、実際に変化を促していくことだと思います。

 もちろん、球数だけが日本の野球界の問題ではありません。勝利至上主義を助長するシステム(特にトーナメント中心の大会!)、スポーツマンシップの欠如、世界基準とかけ離れた飛びすぎる金属バットなどなど、様々な課題を抱えています。世界各国の選手育成と比べても、本当にまだまだ変わらなければならないことがたくさんあります。

 しかし、何か、確実に変化が起こり始めています。
 時間はかかるかもしれないけど、きっと日本の野球も変われる。
 その中で自身ができることは微力かもしれませんが、これからも行動・発信を継続できればと思っています。

1903171

1903173
 
 現在は外務省のプロジェクトで日本の大学生9名をお連れしてドミニカ共和国に滞在しています。帰国後、様々な活動で皆さまとお会いできればと思っています。どうぞよろしくお願いします!!

1903172

1903174
 

『システムの違いによる、結果の違い』

 皆さま、こんにちは!
 そして、メリークリスマス!
 私は今年も12月をドミニカ共和国で過ごしております。

181226 1
 
 毎回、多少の変化はあるものの、相変わらずこの国の人々は野球に熱狂し、そして選手を育成し続けています。
 カードにもよりますが、ウィンターリーグにはたくさんの観客が詰めかけ、ハンリー・ラミレスやフェルナンド・ロッドニーのような大物メジャーリーガーも出場し、熱戦が繰り広げられています。

181226 2

181226 5

 街中に目を移せば、夏のシーズンをマイナーで過ごし、翌年以降のメジャー昇格を目指す若手選手や、まずはマイナー契約を勝ち取ろうとするもっと若い世代の選手たちが、日々練習に励んでいます。そして、そこには選手たちの未来を見据えて指導にあたる指導者の姿もあります。

181226 7

 数えてみれば、今年メジャーでプレーした(メジャー登録された)ドミニカ共和国出身の選手の数は134名。去年より若干少なくなりましたが、それでも人口1000万人の島国から驚異的な輩出数です。ちなみに日本は8名でした。

 もちろん、日本人は能力がないとか、可能性がないとか、そういうことを言いたいのではありません。むしろ、日本人にももっともっと可能性がありますし、努力も十分していると思います。

 ただ、その努力の方向性が全体のシステムの違いによって違うだけなのだと思います。
 日本で進む子供たちの野球離れ、指導者の行き過ぎた指導の問題、選手の特に投手の酷使の問題、トーナメント制が主体による勝利至上主義の問題・・・、大げさではなく、すべての解決のヒントがドミニカ共和国の中にあるのではないかと感じています。

181226 3
 
 この冬は大変多くの方にお越しいただき、約20名の方に日本からお越しいただいています。
 今日の夜には今年の最終グループの到着です。
 時間と費用をかけて来て下さる方々にとって実り多き滞在となることを願って、私自身も住した学びを引き続きドミニカ共和国で継続することができればと思っています!

181226 4

 下記、書籍も引き続きよろしくお願いします!

0722 book

 アマゾンでのお買い求めはこちらから↓↓↓
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4809415945/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4809415945&linkCode=as2&tag=misa0718-22&linkId=e8fc980b1b5673f67b9d65dc3a998636