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皆さま、こんにちは。
7月31日から順次、ドミニカ共和国へ第2陣の方々にお越しいただきました。

今回は高校の先生方に加え、現役の高校生、大学生、そして普段指導している堺ビッグボーイズの小学部5年生、矢倉司嵩(つかさ)君がお父さんと一緒にドミニカ共和国へ訪問してくれました。


感じ方はそれぞれで、とにかく明るくポジティブなプレーを指導者が促し、アグレッシブなプレーを連発する選手たちの姿を見て野球の原点、楽しむ!ことの大切さを再認識したり、これまで自身がやってきた野球との違いに大きなショックを受けたり、しかしここまで来ていただいて感じていただいたことすべてが、これからの日本の野球界に役立つのではないかと思っています。


個人的には、一番大きな違いはやはりシステム、目指しているところの違いかなと思います。負ければ終わりのトーナメントが主流で今勝つことを求めざるを得ない日本の野球と、17-18歳の子供たちに全球団が72試合のリーグ戦を用意するメジャーリーグのアカデミー、そこから出る結果の違いは大きなものになっているのが現状です。
詳しくは私の著書で…

司嵩君は、同年代の子供たちと野球をプレーした後、そのまま2泊のホームステイに!


それぞれが何かを吸収して日本に持ち帰っていただけると思います!
引き続き学びと実践を継続できればと、
Vamos!!
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先週末からこの週末まで、栃木(小山市)・埼玉(行田市)・神奈川(横浜市)・京都(京丹後市)にてドミニカの野球から日本のあり方を学ぶセミナーを開催させていただきました。
少子化、野球離れが進む中で、何とかしたい!という想いを持った方々にお集まりいただき、話しているこちらも楽しくなってくるような雰囲気をみなさんに作っていただきました。


(野球道具を販売するだけでなく、子どもたちの育成に必要な有益な情報を提供したい!とプロスペクト株式会社(
http://www.prospect-baseball.com)/、オンヨネ株式会社(
http://baseballgear.jp/)の方々にもご協力いただいています。)
栃木では中学硬式野球チームの小山ボーイズの保護者の方々にもたくさんお越しいただきました。
自身の子供が置かれている環境は彼らの能力を伸ばすことができる環境なんだろうか・・・?と保護者の視点でセミナーに参加いただき、指導者が学ぶべき貴重な意見もたくさん出していただきました。

埼玉では普段から目先の勝利ではなく、長期的視点での育成を重視して指導・発信されているNPO法人日本少年野球研究所(HP:
http://jbbl.mft.jp/wp/ )の方々と共に開催させていただきました。普段から育成を重視した取り組みをされていて、非常に内容の濃いセミナーになったのではないかなと思います。

神奈川でも100名を超える多くの野球指導関係者にお越しいただきました。(会場がゴージャスで、気後れしそうになりました、汗)熱心な若手の先生方もお越しいただき、これをきっかけに定期的な若手指導者対象の勉強会へと発展させていきたいという声もいただいています。さらに深く共に学ぶ機会を得て、これからの子どもたちへ還元することができればと思っています。


そして、この週末の京丹後市はノムさんの故郷・峰山へ。昨年、大阪でのセミナーにお越しいただいた京丹後市の整形外科の吉岡先生(地元の子供たちの野球肘の検査等をされている方です)が、ぜひ自身の地元でもとおっしゃっていただき実現しました。決して大きな町ではないのですが、会場に入りきらないくらいの方々(約100名)にお越しいただきました。吉岡先生以外はみなさん初対面だったにもかかわらず、熱心に耳を傾けていただきました。
4会場で合計350名くらいの方にお越しいただき、たくさんの方々と出会うことができたことが何よりこれからの大きな財産になりそうです。
もちろん各地で中心となってお声がけいただいた方々のお陰であることは間違いありません。それに加えて、何か変わらなければいけない、そのヒントがカリブの島国・ドミニカ共和国の野球指導にあるのではないか?と興味を持っていただける方が徐々に増えてきているのではないかなと感じます。
これまで培ってきたものを大切にしつつ、一方で変化を恐れない勇気をもった指導者の方々がどの会場にもたくさんいらっしゃいます。
これまでの自分を肯定するために過去に固執する(自分を変えることのできない)方もいらっしゃるかもしれません。
でも、自身が選手の立場、保護者の立場なら、どちらの指導者を選ぶでしょうか?
前者を選ぶ方が多いのではないでしょうか?
少子化、野球離れが進んでいると言われますが、野球に魅力があれば、指導者に魅力があれば、必ず子供たちはついてきます。
大事なことは大人自身が変化を恐れないこと。
これからも共に学ぶ機会を作ることができればいいなと思っています。
各地でお世話になった皆さん、ありがとうございました!
次回は・・・!?

今回滞在したベネズエラという国では、野球もさることながら、人々の生活から色々と感じることの方が多かったような気がします。
1970年代の頃のベネズエラは、世界一と言われる原油の埋蔵量によって多いに栄え、首都カラカスの高層ビルに高速道路、山を突き抜ける多数のトンネル(トンネルはラテンアメリカではまずお目にかかれません)、整備された地下鉄網などは目を見張るものがありました。


一方で貧富の差はこの頃から拡大を続け、多くの庶民の心をつかんで大統領となったのがウーゴ・チャベス氏でした。キューバにならい、様々な企業を国営化し、石油資源をもとに経済大国・アメリカにも大いに反目し、社会主義を貫いてきました。

しかし、そのチャベス氏が大統領任期中に若くして亡くなり、それと同時に世界の原油安がふりかかり、原油に頼り他の産業を放棄してしまっていたがために外貨獲得に苦しみ、さらにはその後の現政権の狂気とも思える政治により、国内は混乱を極めています。
薬局に行っても石鹸がない、シャンプーがない、髭剃りがない状況で、ついには食料までもが枯渇し始めており、スーパーで卵も手に入らなくなってきていると言われています。
政府は外貨を1ドル=6.5ボリーバルに固定し、ボリーバルから米ドルへの両替を禁止したため、外貨を求める企業や富裕層との闇両替レートは1ドル=833ボリーバル(2016年1月現在)まで上昇、実際のレートとは100倍以上の差が出ています。


(500ドル両替してもらったらこの札束。生まれて初めて肩でお金を担ぎました・・・。)
先の食料問題も広大な土地で作ればいいではないかと思いますが、政府が現実とはかけ離れた固定レートを採用して輸入をしているため、作ったところで飛んでもない赤字になるだけという状況。実質、国内の通貨の価値が下がれば、人件費や国内での物資調達の費用は安くなるため輸出業が盛んになるはずなのに、儲けを外貨に換金できない上に、治安の悪化で駐在員をおくことも危ぶまれ、続々と撤退。
政府の予算も底をついているため、どんどん紙幣を印刷してインフレがおこり、実際の通過の価値もみるみる下がっていく、物価はどんどん上がるが、お給料はそこまで上がらない、時に払われない状況。貯蓄していたボリーバルは紙くず同然になるという悲惨な状況です。
挙げ句の果てに、こんな状況で政府の関係者が不正を働いて私財を蓄えているとあってはどうしようもなく、ここ数年のインフレ率はアフリカなどの開発途上国を差し置いて、世界ワースト1位になっています。

治安も残念ながら世界一悪いと言われるくらいに悪化しており、昼間の一部地域を除いて徒歩での移動は不可能で、タクシー運転手も強盗に様変わりするため安全な移動手段確保も困難、警察・軍隊も既存の給料では到底生活できないために犯罪に手を染めている人もいるという状況です。(私は何事もなく無事に通過しましたが、一番の難関は入国する際の空港の警察と税関の職員だとか。)
しかし、教育は他のラテンアメリカの国に比べても非常に高いレベルで、私が接した方々もとても思慮深く親切な方ばかりでした。政治の腐敗による国内の混乱、その中で生まれてしまう一部の犯罪者(彼らも生きるための必死の手段であるとは思いますが)のために、多くの素晴らしい人格の方々をも疑わなければならないこと、本来もっているベネズエラの美しさまでもが消されてしまうことが非常に悲しいことだと思います。
ただ、たった1週間ですが、現地に滞在してみて、日本も他人事ではいられなくなるのではないか?とずっと頭をよぎっていました。
形は違えど、日本も多くの問題を先送りにし、いつか我慢できなくなる日が来るのではないか、そしてその有事の時に一番大切な創造力と行動力を生み出す教育をしていないことが、何よりも大きなツケとして現れるのではないかと。
ベネズエラが正常な状況に戻るためには、今始めたとしても5年から10年はかかるのではないかと言われています。長い年月ですが、今始めなければ、いつまでたってもその5年後・10年後はやってきません。状況は悪化を続け、正常に戻るまでの期間が長引くのみです。そして、これは日本にとっても同じこと、問題を先送りしているだけでは泥沼にハマり抜け出すまでに時間がかかるだけなんです。
短期の旅行者としては、少々の物不足も我慢すればすみますし、嫌なら出て行けば良いだけです。本当につらいのは現地に暮らす方々だと思います。彼らが少しでも早く平穏な生活を取り戻せるように願いつつも、明日は我が身と考え将来の日本に必要なことを微力ながら実践し続けていこうと想いを新たにした滞在となりました。

3日前より、ジョージア州のサバンナという小さな街に滞在しています。どこやねんそれ!という感じですが、コロニアルな街並みも素敵で都会と違って人々も穏やか。暖かい(というより昼間は暑すぎる!)地域で、黒人の方々が多く暮らしているようです。


メッツ傘下で1Aに所属するサバンナ・サンドナッツはこの小さな街を本拠地にしています。昨年末ドミニカ共和国で知り合ったロドリゲス君がここでプレーしているので、再会と自身の勉強を兼ねて訪問しました。


ここでは20歳前後の選手たちがほとんどで、みな自身の未来を信じて思い切ってプレーしています。やはりドミニカ共和国、ベネズエラなどラテン系の選手が多いですね。どのチームもスタメンの半分以上がラテン系の印象です。そして彼らを見守る観客・街の人々の視線がとても暖かく彼らを包んでいるように感じます。
プレーはまだまだ三振も豪快にしますし、エラーもたんまりと。特によく目立つのが走塁ミスかな。ただ、投手は無駄な球を投げず(無駄な時間も使わず)どんどんストレート系の球をストライクゾーンに投げ込むし、打者は初球から豪快に振りに行きます。気持ち良い野球についつい時間を忘れてのめり込んでいる自分に気づきます。指導者も観客も誰もが、選手たちのゴールはここではなく、ここの結果よりも様々な経験を通じて未来につなげて欲しい、言葉ではなくそんな雰囲気の中で、選手たちは常に積極的に、うまくできなかったらどうしよう?なんて考えることもなく投げて打って走っています。

決して日本の野球を否定したいわけではありませんが、日本の未来ある選手たちにもこんな環境でのびのびと能力を伸ばせる場があればなと思わずにはいられません。そのためにもまずは大人が勉強!でしょうね。ないことを悲観する必要は無いんです!ただ大人が勉強して作ればいいだけなんです!
Jean Carlos Rodriguez (イアン・カルロス・ロドリゲス)選手もまだまだ好成績を残せているわけではないのですが、名前の頭文字をとったJ・Cのニックネームでけっこう人気者です。ここはアメリカなので「バモス、J・C!」ではなく、「カモン、J・C!」かな。
『メジャーリーガーになるまでの道のりは確かに険しい、ものすごい競争もある、もちろんたどり着きたいけど、結果は自身でコントロールできるものではなく、神様のみが知っているんだ。だけど、毎日少しずつ前進すること、常に積極的に前向きにプレーすることは自身でコントロールできる。だから、僕たちはコントロールできない未来の結果よりも、コントロールできる今を大切にするんだ。たどり着けるかどうかはわからないけど、それが一番自身の可能性を広げられるからね!』
年末、ドミニカ共和国で彼らが語っていたことを改めて思い出しました。
指導者も保護者も観客も、大切なことは、選手の今の結果にこだわるのではなく(特に小学生から25歳くらいまでは!!)、細かい指導をすることでもなく、彼らが積極的にプレーできる環境を用意することかなと思います。これは今すぐ誰にでもできることかなと!
サバンナ!また戻ってきます!グラシアス!